「詰碁の本は、解答として、普通思いつかないような手順を数種類解説してあるものが多いのですが、詰碁のソフトの場合、そういうわけにはいかないのです。」

「と言いますと?」と町会長。

「例えば、黒の1手目が正解になる点は、1~2カ所に限られています。3手目とか4手目も同じです。」

「と言いますと?」と町会長。

「本の場合は、正解となるような手順を数種類解答として示せば、立派な詰碁の本になりますが、詰碁のソフトはそういうわけにはいかないのです。」

「と言いますと?」と町会長。

「詰碁のソフトの場合、正解以外の手が打たれたときには、『不正解』とか『残念』とか『×』とか表示しなければなりません。」

「と言いますと?」と町会長。

「詰碁は、正解以外の入力が可能な全ての点に打たれた場合について、徹底的な研究がされていないことがあるのです。」

「と言いますと?」と町会長。

「本の場合は、正解手順が網羅的に書いてないのは常識なのですが、詰碁のソフトの場合は、プレイヤーが打つ可能性がある点に対しては網羅的に回答を用意しなければなりません。」

「詰碁の本を作るのより、詰碁のソフトを作る方が大変なのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。詰碁ソフトの初期に作られた『詰碁の問題850』は、そういう問題が詰碁ソフトを作るときの本質的な問題であることが十分に認識されていなかったと推定しています。」

「なるほど。それでは、最近の詰碁ソフトでは、そういう問題が改善されているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。有段者問題あたりまでは、ほとんど間違いがありません。」

「高段者問題には、間違いがあるのですか」と町会長。

「僕が出題問題に間違いがあると思った問題の多くが、研究してみると僕の間違いでした。しかし、明確な間違いもたまにあります。高段者問題を解こうとする人が少ないためかも知れません。」

「詰碁は本当に難しいのですね」と町会長。

「そうなんですよ。ですから、詰碁をやるのであれば、プロの棋士か、アマチュアの7段以上の人に、目的を話して、個人レッスンを受けることをお勧めします。」

「周りにそういう人がいない場合は、どうしたらいいのですか」と町会長。

2021/12/27

<水道後記92>
使っていない立水栓から水が出たハプニングは、複合継ぎ手に組み込んだ水栓を締めて内径13mmの塩ビ管に水道水が行かないようにするだけで解決した。

しかし、問題はそれだけではなかった。13mmの塩ビ管に水道水が行かないようにしても、水道メーターは以前と同じくらいの速さで回っていたのだ。暗くなったので元栓を締めて、調査は翌日することにした。<続く>

2024/12/11